顎関節症には4+1の合計5つのタイプがある

顎関節の症状の項でも挙げましたが、顎関節症は日本顎関節学会が定めているように、大きく分けて4つのタイプがあります。

それに加えて4つのタイプの複合型がありますから、それを併せると全部で5つのタイプがあることになります。

したがって次のような分類になります。

【Ⅰ型・筋肉の障害によって起るタイプ】

顎関節症に深く関わっている筋肉は咀嚼筋(そしゃくきん)です。

この筋肉は頬の部分にある咬筋と、こめかみにある側頭筋、それに内側翼突筋、外側翼突筋の4種類かななっています。

これらの筋肉が何らかの原因で緊張しすぎて硬くなり血管が収縮して痛くなるのです。

【Ⅱ型・靭帯の障害によって起るタイプ】

このタイプは頚関節捻挫を起こした状態と考えるといいでしょう。

関節円板の後部組織や関節包、あるいは靭帯などに力が加わって損傷が生じるのが原因です。

それにより関節包炎や滑膜炎などを起こすため、顎を動かすと痛みを生じるのです。

【Ⅲ型・関節円板の障害によって起るタイプ】

I型に次いで多い症状で、原因は関節円板が本来の位置からずれてしまうことによって障害が起るのです。

この症状の場合には「カックン」とか「コックン」というような音を生じることが多くなります。

【Ⅳ型・変形性関節症によって起るタイプ】

頚関節に繰り返したり、長期間に及ぶ強い負荷がかかったりすると頬の表面が収縮したり、あるいは周辺に新たな骨が作られることがあります。

こうした状態が「変形性関節症」と呼ばれるものです。

この場合は口の開閉の際には「ゴリゴリ」とか「ジャリジャリ」という音を発したりして顎関節に痛みが生じます。

Ⅰ型からⅣ型の要素が重なってできた複合型タイプ

では4+1の1である最後の1つのタイプとはどういうものなのでしょうか。


一般的には顎関節症はⅠからⅣまでの4つのタイプに分類されますが、これに加えて4つのタイプが重なった複合タイプがあります。

つまり「筋肉の障害」と「関節円板の障害」、あるいは「関節包・靭帯の障害」と「関節円板の障害」という風に、複合的に障害が重なった顎関節症も多く見られるのです。

学術的にはこれを「その他の障害」と見なし、5つ目のタイプとして分類しているのです。

顎関節症の原因はどれか1つはっきりとしたものがあるというよりも、様々な原因が複合的に重なっている事が多いです。

したがって、顎関節症が発症した場合にも、4つのタイプが複雑に絡み合っていることを疑わなければなりません