口が開いて動く仕組みを知る

私たちが物を食べたり、おしゃべりをするときには口を開閉したり、上下左右に動かしたりしますが、それはいったい身体のどのような器官の働きによって可能になるのでしょうか。

ここではそれに関する顎関節の働きについてを見ていくことにしましょう。

口を開けたり閉じたりして動かすと、顎関節はその他の関節とは異なる変わった動き方をします。

口を開ける動きを始めると、下顎頭が少しだけ回転して、下顎窩から外れて前方向にすべり出します。

この外れて前に滑り出すのが顎関節の特徴で、下顎頭が下顎窩から外れて前に飛び出ることによって大きく口を開く事ができるのです。

もし下顎頭が下顎窩から外れなければ回転運動だけで口を開くことになるため、大きく口を開くことができず、食べ物を食べるときに大変不自由になります。

この下顎頭が下顎窩から外れて前に移動する時に、実は関節円板も下顎頭の上に乗って一緒に前に移動します。

この関節円板が顎関節の動きにおいて重要な働きをしており、これを理解する事で顎関節症を効果的に治療する事ができますので、関節円板の働きをもう少し説明します。

顎関節がスムーズに動くのは関節円板のおかげ

では、どうして関節円板が下顎頭と一緒に動く必要があるのでしょうか?

下顎頭は下顎窩のようなへこみや、その前にある関節隆起と呼ばれる下顎窩の前方の下に突き出た部分に沿って動きます。

このとき両方の骨に強い圧力がかかるので、その圧力を関節円板が滑らかに動く事によって負荷を分散します。

口を閉じるときは下顎頭は後ろに移動して下顎窩の中に収まりますが、この時に関節円板も一緒に移動して下顎窩の元の位置に収まります。

もうお分かりいただけたかと思いますが、下顎頭と関節円板は口が開いたり閉まったりする時には、いつも一緒に前後に移動する事で、あごの骨にかかる力をうまく分散して逃がしているのです。

また、食べものを食べる時は、上下にアゴを動かすだけでなく、左右にもギリギリと動かさなければなりません。

この時にも顎関節はおもしろい動きをします。左右どちらかの下顎頭が下顎窩から滑り出し、もう一方の下顎頭は下顎窩の中に留まる事で、アゴの関節が外れるのを防ぎながら左右にも口を動かす事ができるのです。

普段私たちはあまり考えずに何気に口を動かしていますが、顎関節の動きを詳細に観察すると、このような複雑な動きを連続して行っているのです。