顎関節症の関節腔洗浄療法ってどんな治療法?

顎関節症で症状が悪化して痛みがひどいときには「関節腔洗浄療法」(かんせつくうせんじょうりょうほう)という治療を受ける場合があります。

では、関節腔洗浄療法とはどのような治療法なのでしょうか。

これを理解するにはまず関節腔というのが何かを知る必要があります。

あご関節は「関節包」というものによって包まれているのですが、「関節腔」とはその関節包の中のことを言うのです。

したがって関節腔というのは関節のための部屋になっていると考えるといいでしょう。

この関節包の内部にはいつも油のような関節液というものが存在しています。

あごを滑らかに動かすことができるのは、この関節液が潤滑剤の役割を果たしているからなのです。

この関節液は絶えず新しいものが出されていて、それとともに古い関節液は自然に吸収され、絶えず循環が繰り返されています。

このように常に循環され、いつもきれいな状態であるはずのあご関節内の関節液が、一説では何かの原因により循環がうまくいかず、古い関節液が老廃物として残っている場合に顎関節症になるとされています。

節腔洗浄療法とは関節包の中を洗浄する治療法

こうした古い関節液を関節包に生理食塩水を入れたり出したりして洗浄するのが「関節腔洗浄療法」と呼ばれる治療法なのです。

特に顎関節の関節内が陰圧(吸盤のようにくっついた状態)になっている場合にはこの陰圧を解除することもできると言われています。

また顎関節が癒着(くっついていること)を起こしている場合にも剥離(はがすこと)することができることもあります。

この治療法は一種の手術と言ってもよく、それなりの侵害性はありますが、注射器によって生理食塩水の出し入れを行うもので、切開による手術ではありませんから、侵害性は最小限にとどめることができます。

いずれにしてもこうした治療が行われるのはあくまで痛みなどが激しい重症の顎関節症に対してのみ行われるもので、日常的によく用いられる治療法ではありません。